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キヤノンのPIXUS TS5530とTS5630は、2025年10月23日に同じ日に発売された兄弟機です。型番が1文字違うだけの2台ですが、公式の仕様ページを1行ずつ突き合わせると、その差はきれいに1か所へ収束します。
違うのはADF(自動原稿送り装置)を積んでいるかどうかだけです。印刷速度も、インクの型番も、印刷1枚あたりのコストも、液晶も、Wi-Fiの規格も、稼働音も、すべて同じ値でした。TS5630の本体が4cm背高く1kg重いのも、ADFを載せた結果です。つまりこの2台は「上位機と下位機」ではなく、同じプリンターにADFが付くか付かないかという選択になります。
そうなると判断はシンプルで、「書類を何枚もまとめてコピーやスキャンする機会があるか」の一点に絞られます。ただしADFには、カタログを読んだだけでは気づけない制限が2つあります。両面の原稿を自動でめくって読み取ることはできず、セットできるのは普通紙だけです。ここを知らずに買うと「思っていた使い方ができない」ことになります。
この記事では公式仕様とオンラインマニュアルを一次ソースとして、2台の差分を全項目で確認し、ADFが本当に効く場面と効かない場面、そしてどちらを選ぶと後から困らないかを整理します。実売価格の差、購入できる店の偏りといった、カタログには書かれていない事情にも触れます。
Bell
型番が1つ違うだけなのに、片方だけ値段が高いんだ。中身もいろいろ良くなってるってこと?
Kura
そこが引っかかるよね。でも仕様を全部並べてみたら、違ってたのはADFの行だけだったんだ。印刷まわりは1つも変わってない。
Bell
えっ、じゃあ差額はまるごとADF代なの? 僕、書類を10枚まとめてスキャンしたいことがたまにあるんだけど。
Kura
そのとおり、まるごとADF代。ただ落とし穴があってね、そのADFは裏面を自動でめくってくれない。両面の書類なら結局ひっくり返す作業が要るんだ。
Bell
それ先に言ってほしかったやつ! 買ってから気づいたら泣いてた。
✅ この記事でわかること
- TS5530とTS5630のスペック・価格を一覧で比較(公式仕様の全項目を照合)
- 2機種それぞれの強み・弱みと、実際の口コミに出ている傾向
- ADF(自動原稿送り装置)で本当にできること・できないこと
- 使い方のパターン別に、どちらを選べばよいかがわかる
- 2026年8月時点の実勢価格と、TS5630を買うときの注意点
- 購入前に知っておくべき制限とよくある質問
【結論】TS5530とTS5630はどちらを選ぶべきか
先に答えを書きます。複数枚の書類をまとめてコピー・スキャンする習慣がないなら、TS5530で足ります。印刷の速さも画質もインク代もTS5630と同じで、しかも本体は4cm低く1kg軽く、価格も抑えられます。逆に確定申告の書類、学校からのプリント、契約書の電子化などで「10枚単位の紙をまとめて処理する」場面が年に何度もあるなら、TS5630のADFは差額に見合います。
※価格帯は2026年8月時点の楽天市場・Amazonの実売価格(安い方)に基づきます。TS5630は取り扱う店舗が限られており、購入先による価格差が大きい点にご注意ください(詳しくは後述します)。
家庭用インクジェット複合機の選び方——TS5530・TS5630を選ぶ前に
この2台はスペックがほぼ同じなので、選び方の議論は「どの機能があれば自分の使い方が回るか」に集約されます。プリンター選びで後から効いてくる4つの視点を先に押さえておくと、判断が速くなります。
1. ADFが要るかどうかは「枚数」ではなく「頻度」で決める
ADF(自動原稿送り装置)は、複数枚の原稿をセットしておくと1枚ずつ自動で送り込んでコピー・スキャンしてくれる装置です。TS5630はA4・レターサイズなら最大35枚をセットできます。
判断のポイントは枚数ではなく頻度です。年に1回10枚をスキャンするだけなら、原稿台で1枚ずつ処理しても実害はありません。一方で月に何度も5〜10枚をまとめて処理するなら、そのたびにフタを開け閉めする作業が積み上がります。ADFの価値は「1回あたりの時短」よりも「その作業を面倒だと思わなくなること」にあります。面倒だと感じる作業は、いずれやらなくなるからです。
2. 給紙方式は買い替え時にいちばん揉める
TS5530・TS5630はどちらも前面カセットのみで、背面トレイ(後トレイ)を持ちません。背面トレイは厚紙やラベル紙をまっすぐ給紙するための入口で、旧機種のPIXUS TS5430には備わっていました。
普通紙とはがきを切り替えて使う場合、背面トレイがあれば「カセットは普通紙、背面ははがき」と入れっぱなしにできます。前面カセットのみだと、はがきを刷るたびに普通紙を抜いて入れ替える手順が発生します。はがきや封筒を刷ること自体はどちらの機種でも可能ですが、切り替えの手間は増えます。買い替えで「前の機種にあった機能が減っている」と感じやすいのがこの部分です。
3. 本体価格とインク代は逆方向に動く
この2台はインクとプリントヘッドが一体になったカートリッジ方式を採用しています。本体価格を抑えられる一方、A4カラー文書1枚あたりのインクコストは約21.2円と、独立インクタンク機や大容量タンク機に比べると高めです(キヤノン公式・JEITA基準・大容量インク使用時)。
年に数十枚から百枚程度の印刷量なら、本体が安いこの構成のほうが総額で有利になります。逆に月に100枚以上を刷るなら、本体が高くてもインク単価の安い機種を選んだほうが数年で逆転します。自分の年間印刷枚数にカラー単価を掛けて、本体価格の差と比べてみてください。
4. 「高さ」を測ってから買う
プリンターは幅と奥行きばかり気にしがちですが、棚やラックに入れる場合に効いてくるのは高さです。TS5530は約168mm、TS5630は約208mm。この4cmの差でカラーボックスに入るかどうかが変わることがあります。
また両機とも奥行きは約355mmあります。電話台のような小型の台には載りません。背面トレイがない構造なので壁際まで寄せられる点は有利ですが、設置面積そのものは小さくないと考えてください。
Bell
背面トレイがないと年賀状が刷れない、って書いてる人を見たんだけど本当なの?
Kura
それは半分だけ正しい。はがきも封筒もカセットから刷れる。ただ用紙を入れ替える手間が増えるから、不便に感じた人が「刷れない」と書いてるんだね。
Bell
なるほど、できないんじゃなくて面倒なだけか。年に1回の年賀状なら僕は我慢できるかな。
Kura
その判断でいいと思う。逆に毎週ラベル紙を刷るような使い方なら、この2台じゃなくて背面トレイのある上位機を見たほうがいいよ。
総合スコア&ランキング
公式スペックと口コミの傾向をもとに、5つの評価軸で各機種を10点満点で独自評価し、総合スコアを算出しました。これは今回の2機種の相対的な位置関係を示すもので、他の記事と絶対比較する目的のものではありません。

📊 採点基準
- 印刷性能:公式のA4普通紙印刷速度(ISO/IEC 24734)、ファーストプリント時間、最高解像度、写真画質に関する口コミ傾向から判断しました
- コピー・スキャンの効率:ADFの有無とセット可能枚数、対応する最大原稿サイズ、ページ順コピーへの対応で採点しました
- ランニングコスト:公式が公表するJEITA基準のA4カラー/モノクロ文書インクコストと、インク構成(一体型か独立型か)を見ています
- 設置性:外形寸法(特に高さ)、質量、給紙方式による設置自由度で採点しました
- コスパ:2026年8月時点の実売価格に対して、得られる機能がどれだけ見合うかで判断しました
※スペックはメーカー公式サイト(キヤノン PIXUS TS5530 仕様・キヤノン PIXUS TS5630 仕様)を参照。口コミは楽天市場レビュー・価格.comクチコミおよび実機レビュー記事を分析。価格は2026年8月時点の楽天市場・Amazonの実売価格(安い方を掲載)。
| 評価項目 | 🏆 PIXUS TS5530 | 🥈 PIXUS TS5630 |
|---|---|---|
| 印刷性能 | 7.0 | 7.0 |
| コピー・スキャンの効率 | 5.5 | 8.5 |
| ランニングコスト | 6.0 | 6.0 |
| 設置性 | 8.5 | 7.0 |
| コスパ | 9.0 | 7.0 |
| 総合評価 | 7.2 | 7.1 |
順位をどう決めたか(0.1点差の内訳)
総合評価は7.2と7.1で、実質的には同点です。この差はスコアの設計上そうなったというより、「ADFを使わない人のほうが多い」という前提を採点に持ち込んだ結果です。ADFを毎週使う人にとっては、コピー・スキャンの効率で3.0点の差がつくTS5630が明確に上位になります。
順位をTS5530としたのは、この2台の性能差がADF1点に集約されているためです。ADFを使わない場合、TS5630で増えるのは本体の高さ4cmと質量1kg、そして支払う金額だけで、得るものがありません。逆にADFを使う人がTS5530を選ぶと、その不便は毎回発生します。この記事の順位は参考程度に見て、「まとめてスキャンする機会があるか」だけで判断してください。それが最も外れにくい選び方です。
キヤノン PIXUS TS5530 の詳細レビュー
Bell
この子、高さがすごく低いんだね。うちの本棚の段にも入りそう。
Kura
そこがこの機種の一番の武器。ただ奥行きは35cm以上あるから、棚の奥行きも一緒に測っておいてね。
TS5530の基本スペック
| 発売日 | 2025年10月23日 |
|---|---|
| ADF | 非搭載(原稿台のみ) |
| 印刷速度(A4普通紙) | カラー 約9.0ipm/モノクロ 約14.0ipm |
| ファーストプリント | 約9.5秒(従来機TS5430の約13.5秒から約30%短縮) |
| インク | 4色ハイブリッド BC-386/395(大容量BC-386XL/395XL対応) |
| インクコスト | A4カラー文書 約21.2円/A4モノクロ文書 約10.0円(大容量インク使用時) |
| 自動両面プリント | 対応(普通紙A4・レター) |
| 給紙 | 前面カセットのみ(普通紙100枚/はがき40枚/L判20枚) |
| 無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n(2.4GHz・5GHz)/WPA3-SAE対応 |
| 外形寸法・質量 | 約374×355×168mm/約5.3kg |
| 実勢価格 | 1万円台前半 |
出典:キヤノン公式/価格は2026年8月時点の楽天市場・Amazonの実売価格(安い方を掲載)
いちばんの進化は「待たされないこと」
TS5530の本質的な価値は、スペック表の速度欄には出てきません。印刷を指示してから1枚目が出てくるまでが約9.5秒で、従来機のPIXUS TS5430の約13.5秒から約30%短縮されています(パソコンからA4カラー片面文書を印刷した場合のメーカー測定値)。キヤノンはこれを「印刷準備プロセスの見直し」と説明しており、インクとメンテナンス機構の設計を変えることで、印刷前の自動メンテナンス動作そのものを減らしています。
4秒という数字は小さく見えます。しかし家庭用プリンターの体感は「印刷開始までの沈黙」でほぼ決まります。とくに1枚だけ印刷する用途が多い家庭では、この待ち時間が使用感の大半を占めます。連続印刷の速度(カラー約9.0ipm/モノクロ約14.0ipm)は同価格帯として標準的ですが、そこよりも起動の速さのほうが日常では効きます。
接続まわりの世代交代も見逃せない
意外に評価されているのが無線まわりです。TS5530はWi-Fiの5GHz帯に対応し、暗号化方式のWPA3-SAEもサポートします。5GHz帯は電子レンジや近隣の無線と干渉しにくく、集合住宅で2.4GHz帯が混雑している環境では接続の安定性に直結します。
また、接続時にパスワードを手入力できる点を評価する声もあります。ルーター側の設定でボタン方式の簡単接続を無効にしている場合、手入力に対応していないプリンターは接続できません。セキュリティ設定を絞っている家庭ほど、この対応の有無が効いてきます。
4色一体型カートリッジという選択
インクはブラック(顔料)とカラー3色(染料)の2本構成で、プリントヘッドがカートリッジに内蔵された一体型です。この方式は使用頻度が低い人ほど有利になります。ヘッドが本体に固定されている機種は、長期間使わないとノズルが乾いて故障につながりますが、一体型ならカートリッジ交換でヘッドごと新品になるためです。
その代わりカラー文書のインクコストは約21.2円と高めで、色を1つ使い切っただけでも3色まとめて交換になります。月に何十枚もカラーで刷るなら、この機種は選ぶべきではありません。年に数回の年賀状と、たまの書類印刷。その使い方に対して最適化された設計です。
TS5530の口コミ傾向
※以下は楽天市場レビュー・価格.comクチコミおよび実機レビュー記事を分析した結果です。記事中のワードクラウドは、編集部が読み込んだ口コミの傾向を独自にまとめた要約をもとに言及テーマを集計・可視化したイメージ図で、レビュー原文から自動生成したものではありません。
✅ 購入者が特に評価しているポイント
- 印刷が始まるまでの待ち時間が短く、旧機種からの買い替えではっきり違いがわかるという声が目立ちます
- 用紙切れ時の耳障りな動作音がなくなり、動作音全体が静かになったという評価があります
- 5GHz帯とWPA3に対応し、手入力で接続設定できる点を購入の決め手に挙げる人がいます
- カートリッジ一体型のため、久しぶりに使うときの目詰まりを心配せずに済むという安心感が語られています
⚠️ 購入前に知っておきたい注意点
- 背面給紙がなくなったことへの不満が最も多く、旧機種で後トレイを使っていた人ほど落差を感じています
- 奥行きが想像より長く、小さな台には載らなかったという設置面の指摘があります
- 有機ELの画面が小さく、無線設定の文字入力をボタンで1文字ずつ選ぶ操作を面倒に感じる声があります
- スキャンの読み取りサイズを自動にすると原稿より広く取り込まれ、余白を切る手間がかかるという報告があります

✅ メリット
- 高さ約168mm・質量約5.3kgで、棚や机の上に収めやすい
- ファーストプリント約9.5秒。1枚だけ刷る用途でストレスが少ない
- TS5630と印刷性能・インク・コストが完全に同一で、価格だけ安い
- 5GHz帯・WPA3対応で、無線環境を選ばず設置できる
- 自動両面プリントに対応し、資料印刷の用紙を節約できる
⚠️ デメリット
- ADF非搭載のため、複数枚のコピー・スキャンは1枚ずつフタを開けて置き換える必要があります
- 背面トレイがなく、はがきや封筒を刷るたびにカセットの用紙を入れ替えることになります
- A4カラー文書のインクコストは約21.2円と高めです(印刷枚数が多い方は大容量タンク機を検討してください)
- 写真のベタ塗り部分に粒状感が出やすく、L判の写真プリントを重視する用途には向きません
- 廃インクの受けを自分で交換できず、大量印刷を続ける使い方は想定されていません
TS5530はこんな方に
印刷が主役で、コピーやスキャンは「たまに1枚」という家庭に向きます。年賀状、学校からの提出書類、在宅ワークの資料を刷る——この程度の使い方であれば、TS5630との性能差は一度も体感しません。設置場所の高さに制約がある方にも、この4cmの低さは効きます。
キヤノン PIXUS TS5630 の詳細レビュー
Bell
上に載ってる箱がADFだよね。35枚も入るなら、確定申告の領収書まとめてスキャンできるんじゃない?
Kura
その用途、実は苦手なんだ。ADFに入れられるのは同じサイズの普通紙だけ。レシートみたいな小さい紙や厚みの違う紙は原稿台に置くことになる。
Bell
えっ、僕がやりたかったことほぼできないじゃん……。じゃあ誰のための装置なの?
Kura
A4の書類を束で扱う人。学校のプリント、契約書、会議資料。そこにハマると強いけど、ハマらないと4cm背が高いだけの機械になる。
TS5630の基本スペック
| 発売日 | 2025年10月23日(TS5530と同日) |
|---|---|
| ADF | 搭載(A4・レター最大35枚/リーガル最大5枚) |
| 最大読み取りサイズ | 原稿台 A4・レター/ADF部 A4・レター・リーガル |
| 印刷速度(A4普通紙) | カラー 約9.0ipm/モノクロ 約14.0ipm |
| ファーストプリント | 約9.5秒(従来機TS5430の約13.5秒から約30%短縮) |
| インク | 4色ハイブリッド BC-386/395(TS5530と共通) |
| インクコスト | A4カラー文書 約21.2円/A4モノクロ文書 約10.0円(大容量インク使用時) |
| 自動両面プリント | 対応(普通紙A4・レター) |
| 給紙 | 前面カセットのみ(普通紙100枚/はがき40枚/L判20枚) |
| 外形寸法・質量 | 約374×355×208mm/約6.3kg |
| 実勢価格 | 1万円台後半 |
出典:キヤノン公式/価格は2026年8月時点の楽天市場・Amazonの実売価格(安い方を掲載)
ADFで本当にできること
TS5630のADFは、A4・レターサイズなら最大35枚をまとめてセットできます。1枚ずつ自動で送り込まれ、コピーやスキャンが連続で進むため、その間は機械の前を離れられます。加えてADFを使うときだけ「ページ順コピー」が選べ、複数ページの原稿をページ順に並んだ状態で出力できます。
もう1つ見落とされがちな利点がリーガルサイズ(最大216×356mm)への対応です。原稿台はA4・レターまでですが、ADF経由ならA4より長い書類を読み取れます。契約書や図面など、A4に収まらない紙を扱う方には実質的な機能追加です。
ADFの2つの制限——買う前に必ず確認してください
ここが本記事でいちばんお伝えしたい部分です。キヤノンのオンラインマニュアル(原稿のセット手順)には、次の制限が明記されています。
⚠️ ADFの制限(キヤノン公式マニュアルより)
- ADFは両面原稿の自動読み取りに対応していません。裏面もスキャンしたい場合は、束をまとめてひっくり返してもう一度通す操作が必要です
- ADFにセットできるのは、サイズ・厚さ・重さがそろった普通紙だけです。プリント写真・はがき・名刺・ディスクは原稿台にセットします
- のり・付せん・ホチキス・クリップが付いた原稿、しわや折り目のある原稿、穴のあいた原稿は紙づまりの原因になるため使えません
- 公式も「原稿をよりきれいに読み取りたいときは原稿台にセットしてください」と案内しており、画質は原稿台のほうが上です
「両面コピー」という機能は両機とも搭載していますが、これは2枚の片面原稿を1枚の用紙の表裏に印刷する機能であって、両面原稿を自動で読み取る機能ではありません。ここを取り違えると、期待した使い方ができません。
とはいえ、制限を理解したうえで使えば効果ははっきりしています。学校からのプリント、会議資料、申請書の控えといった片面のA4普通紙の束——家庭で発生する紙のかなりの部分はこの形をしています。用途が合えば、フタを35回開け閉めする作業がゼロになります。
印刷まわりはTS5530と1つも変わりません
公式仕様を全項目照合した結果、印刷に関わるスペックはすべて同一でした。インクの型番、ノズル数、解像度、印刷速度、ファーストプリント、インクコスト、稼働音、消費電力、Wi-Fiの規格、液晶の種類、給紙方式まで一致します。「上位モデルだから印刷もきれい・速い」ということは一切ありません。差額はADFと、それに伴う筐体の変更に対して支払うものです。
買う場所に注意が必要です
TS5630はTS5530と比べて、取り扱っている店が明らかに少ない機種です。TS5530は家電量販店系のショップが多数扱っていて価格差も小さいのですが、TS5630は流通が限られており、購入先によって実売価格に数千円の開きがあります。
実際、2026年8月時点で楽天市場に出ているTS5630は小規模ショップのみで、Amazonの実勢価格より2〜3割高い出品が並んでいます。TS5630を検討する場合は、複数のストアで価格を必ず見比べてください。同じ型番で数千円変わります。
TS5630の口コミ傾向
※以下は楽天市場レビュー・価格.comクチコミおよび実機レビュー記事を分析した結果です。TS5630は発売から日が浅く流通も限られるため、TS5530と比べて口コミの母数がかなり少ない状態です。件数が少ない前提でお読みください。記事中のワードクラウドは、編集部が読み込んだ口コミの傾向を独自にまとめた要約をもとに言及テーマを集計・可視化したイメージ図で、レビュー原文から自動生成したものではありません。
✅ 購入者が特に評価しているポイント
- ADFに原稿を重ねて置くだけで処理が進むため、コピー・スキャン中に手が離せるという評価があります
- コピーではADFの読み取りが遅くて待たされることはなく、印刷側の速度で処理が進むという報告があります
- つや消し白一色のシンプルな造形が生活空間になじむという声があります
- 必要な設定と操作が本体の画面とボタンでほぼ完結する点が使いやすさとして挙がっています
⚠️ 購入前に知っておきたい注意点
- 純正インクの単価が高く、印刷内容によっては割高になるという指摘があります
- 写真やベタ塗りのある絵柄では粒状感が目立ち、上位機種に画質で見劣りするという評価です
- 奥行き・質量ともに見た目の印象より大きく重いという設置面の声があります
- 廃インクのカートリッジを自分で交換できないため、印刷枚数が非常に多い使い方には向かないと指摘されています

✅ メリット
- A4・レターを最大35枚セットでき、複数枚のコピー・スキャンを機械に任せられる
- ADF経由ならリーガルサイズ(A4より長い書類)を読み取れる
- ページ順コピーに対応し、複数ページの資料を並べ替えずに出力できる
- 印刷性能・インク・ランニングコストはTS5530と完全に同一で、印刷面で妥協がない
- 背面トレイがないぶん、本体を壁際まで寄せて設置できる
⚠️ デメリット
- ADFは両面原稿を自動で読み取れません。両面書類は束ごと裏返して2回通す必要があります
- ADFに置けるのは同じサイズ・厚さの普通紙のみで、写真・はがき・名刺は原稿台に置きます
- TS5530より高さが4cm、質量が1kg増えます(棚に入れる予定なら先に採寸してください)
- 取り扱う店が少なく、購入先によって実売価格の差が大きくなっています
- 写真画質・インクコスト・給紙方式はTS5530と同じため、ADF以外に上位機らしさはありません
TS5630はこんな方に
片面A4の書類を束で扱う機会が定期的にある方に向きます。学校や自治体からの提出書類をまとめてコピーする、契約書や会議資料を電子化するといった使い方が月に何度もあるなら、差額は数か月で元が取れる感覚になるはずです。リーガルサイズを読み取る必要がある方にも、選択肢はこちらしかありません。
TS5530とTS5630のスペック比較表
| 項目 | 🏆1位 キヤノン PIXUS TS5530 ADFなし・薄型 |
🥈2位 キヤノン PIXUS TS5630 ADF搭載 |
|---|---|---|
| ⚡ 基本性能 | ||
| 発売日 | 2025年10月23日同時発売 | 2025年10月23日同時発売 |
| 印刷速度(カラー) | 約9.0ipmA4普通紙 | 約9.0ipmA4普通紙 |
| 印刷速度(モノクロ) | 約14.0ipmA4普通紙 | 約14.0ipmA4普通紙 |
| ファーストプリント | 約9.5秒従来機比 約30%短縮 | 約9.5秒従来機比 約30%短縮 |
| 最高解像度 | 1200×1200dpi4色ハイブリッド | 1200×1200dpi4色ハイブリッド |
| 📄 コピー・スキャン | ||
| ADF(自動原稿送り) | 非搭載原稿台のみ | 搭載普通紙専用・片面読み取り |
| ADFセット可能枚数 | − | 35枚A4・レター時/リーガルは5枚 |
| 最大読み取りサイズ | A4・レター原稿台 | リーガルADF使用時。原稿台はA4・レター |
| ページ順コピー | − | 対応ADF使用時のみ |
| 自動両面プリント | 対応普通紙A4・レター | 対応普通紙A4・レター |
| 💰 ランニングコスト | ||
| インク | BC-386/3954色一体型・大容量XLあり | BC-386/3954色一体型・大容量XLあり |
| A4カラー文書 | 約21.2円大容量インク使用時 | 約21.2円大容量インク使用時 |
| A4モノクロ文書 | 約10.0円大容量インク使用時 | 約10.0円大容量インク使用時 |
| 📐 本体設計 | ||
| 外形寸法 | 374×355×168mm幅×奥行×高さ | 374×355×208mm高さが4cm高い |
| 質量 | 約5.3kg | 約6.3kgADF分で1kg重い |
| 給紙 | 前面カセットのみ背面トレイなし | 前面カセットのみ背面トレイなし |
| 液晶 | 1.42型有機ELモノクロ | 1.42型有機ELモノクロ |
| 稼働音 | 約47dB(A) | 約47dB(A) |
| ⭐ 総合スコア(10点満点) | ||
| 印刷性能 | 7.0 | 7.0 |
| コピー・スキャンの効率 | 5.5 | 8.5 |
| ランニングコスト | 6.0 | 6.0 |
| 設置性 | 8.5 | 7.0 |
| コスパ | 9.0 | 7.0 |
| 総合評価 | 7.2 | 7.1 |
| 👤 おすすめ対象 | ||
| こんな方に | 印刷とたまのコピーが中心棚に収めたい・費用を抑えたい | 書類を何枚もまとめてスキャンする確定申告や学校書類の電子化が多い |
| 💳 価格情報 | ||
| 実勢価格 | 1万円台▶ 最新価格はリンクで確認 | 1万円台▶ 最新価格はリンクで確認 |
| 🛒 購入リンク | ||
| 販売ストア | 🛒 楽天📦 Amazon🛍️ Yahoo! | 🛒 楽天📦 Amazon🛍️ Yahoo! |
注目比較ポイント
1. 差はADFの1点に集約される
キヤノン公式の仕様ページを両機種ぶん取得し、全項目を1行ずつ突き合わせました。値が違ったのはADFに関連する行だけです。具体的にはADFの有無、ADFの原稿セット可能枚数、スキャナー型式の表記、ADF部の最大複写・読み取りサイズ、ページ順コピーへの対応、そして外形寸法と質量。この7項目以外は完全に一致していました。
寸法と質量の差も独立した差ではなく、ADFユニットを本体上部に載せた結果です。つまりこの2台の違いは、実質的にADF1つに還元できます。「同じ設計の兄弟機で、片方に装置が1つ増えている」という理解が正確です。
2. 印刷性能で選ぶ理由はどちらにもない
印刷速度はカラー約9.0ipm・モノクロ約14.0ipm、ファーストプリントは約9.5秒、最高解像度は1200×1200dpi。インクは同じBC-386/395で、A4カラー文書のインクコストも約21.2円で共通です。印刷の速さでも画質でもランニングコストでも、この2台に差はありません。
比較記事にありがちな「上位機のほうが印刷もきれい」という前提は、この2台では成立しません。印刷性能を判断材料にすると、必ず判断を誤ります。
3. 4cmの差は「棚に入るか」を分ける
TS5530が約168mm、TS5630が約208mm。幅と奥行きは374×355mmで同一なので、置き場所の制約は高さだけで決まります。一般的なカラーボックスの1段の内寸は高さ25〜28cm程度なので、どちらも入る計算にはなります。ただし上に排紙スペースや操作の余裕を見込むと、この4cmが効いてくる場面はあります。
質量も約5.3kgと約6.3kg。据え置きなら誤差ですが、使うときだけ出してしまう運用なら1kgの差は毎回体に返ってきます。
4. 買える場所の差は、実は価格差より大きい
スペックには現れない差として、流通量の違いがあります。TS5530は量販店系のショップが幅広く扱っていて価格も安定していますが、TS5630は扱う店舗が限られ、購入先による価格差が数千円単位で発生しています。
比較記事に書かれた「差額」を鵜呑みにすると、実際の買い物では差額が倍近くになることがあります。TS5630を買うと決めたら、必ず複数のストアで価格を確認してください。同じ新品で数千円変わるなら、それはADFの価値を考え直す材料にもなります。
🤝 逆に、ここは共通です(どちらを選んでも変わらない点)
- インクは4色ハイブリッドのBC-386/395で共通。A4カラー文書 約21.2円、モノクロ 約10.0円のコストも同じです
- 印刷速度はカラー約9.0ipm・モノクロ約14.0ipm、ファーストプリントは約9.5秒で完全に同一です
- 自動両面プリント(普通紙A4・レター)はどちらも対応しています
- 給紙は前面カセットのみ(普通紙100枚)。背面トレイはどちらにもありません
- 液晶は1.42型有機EL(モノクロ)、稼働音は約47dB(A)、Wi-Fiは2.4GHz/5GHz対応で共通です
- スキャナーの光学解像度(1200×2400dpi)、消費電力、対応する用紙サイズ・用紙種類も同じです
Bell
こうやって並べると、迷う要素がADFしかないってはっきりするね。
Kura
だから比較としては珍しく楽なんだ。ADFを使う場面を思い浮かべて、具体的に出てこないならTS5530でいい。
Bell
僕は「たぶん使う」くらいなんだよね。それだと買わないほうがいいのかな。
Kura
そこは正直、割れるところ。「たぶん使う」なら安いほうを勧めたくなるけど、道具があるから習慣が生まれる人もいる。自分がどっちのタイプか次第だね。
どれを選ぶべき?——状況別おすすめガイド
年賀状と学校の書類を刷るのが中心の方に
この使い方ならTS5530で十分です。印刷性能は上位のTS5630とまったく同じですし、コピーが必要になっても学校のプリント1〜2枚なら原稿台で済みます。浮いた金額はインクの予備に回したほうが実用的です。
ただし年賀状シーズンに、はがきと普通紙を頻繁に入れ替えることになる点は覚悟してください。背面トレイがないのは両機共通の制約です。
在宅ワークで書類を電子化する機会が多い方に
TS5630が向きます。契約書の控え、押印済みの申請書、会議資料といった片面A4の束をPDF化する作業は、ADFの得意分野そのものです。35枚までセットできるので、10〜20枚程度の資料なら置いてボタンを押すだけで終わります。
ADF経由ならリーガルサイズにも対応するため、A4に収まらない書式を扱う方の選択肢は実質これ一択になります。
確定申告のレシート整理を目的にしている方に
この目的ならADFは期待しないでください。ADFにセットできるのはサイズと厚さがそろった普通紙だけで、レシートや領収書のような小さく薄い紙、サイズがばらばらな紙は対象外です。結局は原稿台に並べて読み取ることになります。
原稿台であれば複数枚を並べて一度にスキャンする機能が使えるので、この用途に限ればTS5530との差はほとんどありません。レシート整理のためにTS5630を選ぶのは、お金の使い方として合理的ではありません。
両面印刷された書類を大量にスキャンしたい方に
この用途ではどちらも力不足です。TS5630のADFは両面原稿を自動で読み取れないため、束を裏返して2回通す作業が必要になります。枚数が多いほど、この手間とページ順の管理が負担になります。
両面自動読み取り(ADFの自動両面スキャン)が必要なら、この価格帯ではなくビジネス向けの複合機か、専用のドキュメントスキャナーを検討してください。ここを妥協して買うと、結局使わなくなります。
棚やラックに収めたい方に
TS5530です。高さ約168mmはこのクラスでは薄い部類で、収納の自由度が上がります。TS5630との差は4cmですが、棚板の間隔は動かせません。
なお奥行きは両機とも約355mmあります。設置予定の場所は高さだけでなく奥行きも測ってから決めてください。背面トレイがない構造のため、壁にぴったり寄せられる点は両機共通の利点です。
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よくある質問(FAQ)
Q. TS5530とTS5630の違いは何ですか?
A. ADF(自動原稿送り装置)の有無だけです。TS5630はA4・レターを最大35枚セットして連続コピー・スキャンができます。ADFを搭載した結果として本体の高さが約40mm、質量が約1kg増えており、ADF使用時のみページ順コピーとリーガルサイズの読み取りに対応します。印刷速度・解像度・インク・インクコスト・給紙方式・液晶・Wi-Fi規格・稼働音はすべて同一です。
Q. TS5630のADFは両面の書類を自動で読み取れますか?
A. できません。キヤノンのオンラインマニュアルが、ADFでは両面原稿の自動読み取りに対応しないと明記しています。両面の原稿をスキャンする場合は、束をまとめて裏返してもう一度通す操作が必要です。なお「両面コピー」機能は搭載していますが、これは2枚の片面原稿を1枚の用紙の表裏に印刷する機能です。
Q. ADFに写真やはがきをセットできますか?
A. できません。ADFにセットできるのは、サイズ・厚さ・重さがそろった普通紙のみです。プリント写真・はがき・名刺・ディスクは原稿台にセットします。のりや付せんが付いた原稿、しわや折り目のある原稿、穴のあいた原稿も紙づまりの原因になるため使えません。
Q. どちらが印刷はきれいですか?
A. 同じです。両機とも4色ハイブリッドインク(BC-386/395)、最高解像度1200×1200dpi、ノズル数も同一で、印刷にかかわるスペックに一切の差がありません。写真画質を重視する場合は、この2台ではなく5色以上のインクを積んだ上位シリーズを検討してください。
Q. インク代はどのくらいかかりますか?
A. キヤノン公式の公表値(JEITA基準・大容量インク使用時)で、A4カラー文書が約21.2円、A4モノクロ文書が約10.0円です。両機で同じ値です。カラー3色が一体のカートリッジのため、1色を使い切ると3色まとめて交換になります。月に100枚以上を刷る場合は、大容量インクタンク機のほうが総額で有利になります。
Q. はがきや封筒は印刷できますか?
A. どちらの機種でも印刷できます。前面カセットがはがき・郵便往復はがき・長形3号/4号・洋形4号/6号などの封筒に対応しています。ただし両機とも背面トレイを持たないため、普通紙から切り替えるたびにカセットの用紙を入れ替える必要があります。
Q. TS5430からの買い替えとして、どのくらい変わりますか?
A. 印刷開始までの待ち時間が約13.5秒から約9.5秒へ、約30%短縮されています。一方で背面トレイが廃止されているため、後トレイを常用していた方には使い勝手が下がる部分があります。1枚だけ刷る機会が多い方ほど、買い替えの満足度は高くなります。
Q. TS5630の価格が店によって大きく違うのはなぜですか?
A. TS5530と比べて取り扱う店舗が少なく、流通が限られているためです。2026年8月時点でも、購入先によって数千円の差が出ています。TS5630を検討する場合は、必ず複数のストアで価格を確認してください。
まとめ|ADFが要るかどうか、それだけです
キヤノンPIXUS TS5530とTS5630を、公式仕様の全項目とオンラインマニュアルまで確認して比較しました。要点を整理します。
- 違いはADFの有無だけ。印刷速度・解像度・インク・インクコスト・給紙・液晶・Wi-Fi・稼働音はすべて同一です
- TS5630はA4・レターを最大35枚セットでき、ADF経由ならリーガルサイズも読み取れます
- ADFは両面原稿を自動で読み取れず、セットできるのは普通紙のみです。レシートや写真の整理には使えません
- TS5630は高さが4cm、質量が1kg増えます。棚に入れる予定なら先に採寸してください
- TS5630は取り扱う店舗が少なく、購入先による価格差が大きくなっています
両機の総合評価は7.2と7.1で、実質的には同点です。この記事の順位より、「A4の書類を束でコピー・スキャンする場面が、月に何度か具体的に思い浮かぶか」という一点で判断してください。思い浮かぶならTS5630、思い浮かばないならTS5530です。
プリンターは買った直後より、3年目の使い方で満足度が決まる道具です。3年後の自分が紙の束をどう扱っているかを想像して選んでみてください。
Bell
正直まだ迷ってる。僕、書類の束って年に2〜3回しか出ないんだよね。
Kura
年2〜3回なら、その日だけ我慢すればいい話だからね。ただ一つ言っておくと、その2〜3回が確定申告みたいに期限のある日だと、面倒さの重みが変わる。
Bell
たしかに締切前の夜中にフタをパタパタするの、想像したくないかも……。ちょっと持ち帰って考える。
Kura
それでいいと思う。ここは急いで決める場面じゃないよ。
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