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JBL Tour One M2は、2026年9月時点でJBL公式サイトの「生産完了品」カテゴリに置かれています。製品ページの購入ボタンは押せない状態になり、「オンライン販売ではお取り扱いしておりません」の一文も添えられました。
それでも楽天市場にはまだ新品が残っています。しかも実売2万円台。4万円台に乗る現行のTour One M3と並べると、価格差は約1万2千円です。
知りたいことは2つに絞られます。M3で何がどれだけ良くなったのか。そして安く残っているM2を今から買って後悔しないのか。結論を先に言うと、両者の差は「値段なりにきちんとある」です。ただしM2を選ぶ理由も消えてはいません。どちらが正解かは、有線でどう聴くか、何年使うつもりかで変わります。
Bell
ヘッドホン見てたら、同じJBLで見た目そっくりなのに1万2千円も違うのがあるんだけど。M3とM2。安い方でよくない?
Kura
安い方のM2はもう作ってないんだ。JBLの公式サイトで「生産完了品」の棚に移ってる。だから安く見えてる部分もある。
Bell
わかった。で、そもそも何が変わったの? 見た目はほんとに同じに見えるけど。
Kura
重さは278gで1gも変わってない。変わったのは中身。いちばん大きいのは、M3が本体にDACを積んでUSB-Cで直接ロスレス再生できるようになったこと。ここは見た目じゃ絶対わからない。
✅ この記事でわかること
- Tour One M3とM2の違い5つと、公式スペックの全項目比較
- M2が生産完了になった裏付けと、いま実際に買える在庫の量
- 内蔵DAC・LDAC・ヘッドトラッキングが日常の聴き方をどう変えるか
- 紛らわしい「M3」と「M3 Smart Tx」の違いと選び分け
- 差額約1万2千円を払う価値があるかの判断材料
- 買う前に知っておきたい注意点とよくある質問
【結論】JBL Tour One M3とM2、どちらを買うべきか
これから数年使うつもりなら、素直にM3です。差額の約1万2千円ぶんの中身はきちんとあります。ただし「有線は3.5mmを直挿ししたい」「予算は3万円まで」なら、残っているうちのM2は今も合理的な選択です。
※価格帯は2026年9月時点の楽天市場・Amazonの実売価格(安い方)にもとづく目安です。最新価格はリンク先でご確認ください。
発売時期と「TOUR ONE」という型番の意味
まず2機種の立ち位置を整理します。Tour One M2は2023年、Tour One M3は2025年5月29日の発売で、世代の間隔は約2年です。
| Tour One M3(現行) | 2025年5月29日発売/希望小売価格 4万9,500円(税込) Smart Tx同梱モデルは 5万7,200円(税込) |
| Tour One M2(生産完了) | 2023年発売/希望小売価格 3万9,600円(税込) |
出典:JBL公式(Tour One M3)/JBL公式(Tour One M2)/ハーマンインターナショナル報道発表
「TOUR」はJBLの最上位ライン
JBLのワイヤレス製品には大きく3つのラインがあります。エントリーのTUNE、中位のLIVE、そして最上位のTOURです。TOURの中はさらに、完全ワイヤレスイヤホンの「TOUR PRO」系と、オーバーイヤーヘッドホンの「TOUR ONE」系に分かれます。
TOUR ONEの世代は無印(2021年)→ M2(2023年)→ M3(2025年)と、末尾の数字が上がる形で進みました。およそ2年に1度、フルモデルチェンジが入るサイクルです。
JBL公式のM2の製品ページには、タッチスクリーン付きケースの完全ワイヤレス「TOUR PRO 2」が先に評判を取り、その流れでオーバーイヤーのフラッグシップとしてM2が加わったという趣旨の説明が残っています。M3が同梱する「Smart Tx」も、この「操作部を外に持たせる」発想の延長線上にあります。
なぜM3のタイミングでここまで変わったのか
2023年と2025年では、このカテゴリの前提が2つ変わりました。1つはUSB-C接続の一般化です。iPhoneが15世代でUSB-Cに移行し、「スマホから直接デジタルで音を受け取る」構成が現実的になりました。M3が内蔵DACを積んだ背景はここにあります。もう1つは再生時間の相場が上がったこと。この価格帯ではANCオンで40時間が上位機の目安になり、M2の30時間は2026年の基準では平均的な数字です。
Tour One M3とM2のスペック全比較
公式サイトの仕様表を1項目ずつ突き合わせた全比較です。色が付いている行が変わった項目、白い行は新旧で同じ項目です。
| 項目 | 🆕 新モデル JBL Tour One M3 2025年5月発売・現行 |
📦 旧モデル JBL Tour One M2 2023年発売・生産完了 |
|---|---|---|
| 📊 スペック比較(全項目) | ||
| 内蔵DAC / 有線の音質 | 内蔵DAC搭載(USB Type-C接続でロスレス再生)新搭載 | 内蔵DACなし(3.5mmアナログ接続・有線時ハイレゾ認証) |
| LDAC対応 | 対応(公式に明記)新搭載 | 公式の仕様表・機能説明に記載なし |
| 最大再生時間(ANCオフ) | 70時間+20時間 | 50時間 |
| 最大再生時間(ANCオン) | 40時間+10時間 | 30時間 |
| ノイズキャンセリング | アダプティブNC 2.0(リアルタイム補正)世代更新 | トゥルー・アダプティブNC(リアルタイム補正) |
| マイク総数 | 10個(うちANC用8個=各イヤーカップ4個)+3個 | 7個 |
| 空間サウンド | JBL空間サウンド+ヘッドトラッキング新搭載 | JBL空間サウンド(ヘッドトラッキングなし) |
| トランスミッター同梱構成 | Smart Tx同梱モデルを選べる新設定 | 設定なし |
| 通話マイク | 4つのアダプティブビームフォーミングマイク(AIアルゴリズム)新搭載 | 公式に専用の記載なし |
| サウンドパーソナライズ | Personi-Fi 3.0(12バンドEQ+L/Rバランス個別最適化)世代更新 | Personi-Fi 2.0(各10バンド測定) |
| 操作方法 | タッチコントロール/自動プレイ・ポーズ対応追加 | 物理ボタン中心(自動プレイ・ポーズの記載なし) |
| 有線接続の付属品 | USB-C to C/USB-C to 3.5mm/USB-C to Aアダプタ構成変更 | 3.5mmオーディオケーブル/フライトアダプター |
| 急速充電 | 5分の充電で約5時間再生明示 | 対応(時間の公称なし) |
| 感度 | 122dB+5dB | 117dB |
| インピーダンス | 18Ω−14Ω | 32Ω |
| Bluetoothプロファイル | A2DP 1.4/AVRCP 1.6.2/HFP 1.8小改訂 | A2DP 1.3.2/AVRCP 1.6.2/HFP 1.7.2 |
| ドライバー径 | 40mm(マイカドーム) | 40mm(PU+LCP振動板) |
| 重量 | 278g | 278g |
| Bluetoothバージョン | 5.3 | 5.3 |
| 充電時間 | 約2時間 | 約2時間 |
| マルチポイント | 対応(最大2台) | 対応(最大2台) |
| 折りたたみ | 対応 | 対応 |
| 発売時期 | 2025年5月 | 2023年 |
| 希望小売価格(税込) | 49,500円 | 39,600円 |
出典:JBL公式 Tour One M3/JBL公式 Tour One M2 の仕様表を2026年9月時点で参照。実売価格は楽天市場・Amazonの安い方を掲載しています。
🤝 逆に、ここは共通です(どちらを選んでも変わらない点)
- 重さは278gで完全に同一。装着したときの物理的な負担は世代で変わっていません
- ドライバー径はどちらも40mm(振動板の素材だけがPU+LCPからマイカドームへ変更)
- Bluetoothのバージョンは両方5.3。M3で5.4に上がったわけではありません
- 充電時間は約2時間、マルチポイントは最大2台まで。どちらも同じです
- 折りたたみ機構と専用キャリングケースの付属も両世代で共通です
つまり「持ち歩いたときの重さ・かさばり」は買い替えても改善しません。重さを理由に買い替えを考えているなら、先に知っておいてください。
⚠️ Auracast対応について(誤解の多い点)
「M3からAuracast対応」と書かれることがありますが、正確には少し違います。M2の公式仕様表にも「Auracast対応:有」の記載はあります。ただしM2側は機能説明に項目がなく、「Bluetooth 5.3 LEオーディオ」の脚注として「後日OTAアップデートにより利用可能」と書かれている扱いです。対してM3は機能説明の見出しとしてAuracastを掲げ、受信の使い方まで説明しています。「M3だけが対応」ではなく「対応の位置づけと作り込みが違う」と理解するのが正確です。Auracast目当てなら購入前にメーカーへ確認する価値があります。
M3で変わった5つのポイント
公式仕様表の差分は細かく数えると16項目ありますが、購入判断に効くものは5つに束ねられます。
📊 変更点サマリ
① 音の入口が変わった — 内蔵DACとLDAC対応
M3で最も大きい変更はここです。M3は本体にDAC(デジタルとアナログを変換する回路)を内蔵し、付属のUSB Type-Cケーブルでスマホやパソコンに直結すると、デジタル信号のままロスレス再生ができます。加えてワイヤレス側もLDACに対応しました。
M2にはどちらもありません。有線接続は3.5mmのアナログケーブルで、公式が謳うのは「有線接続時のハイレゾ認証」まで。ワイヤレスのコーデックについてはJBLの公式仕様表にも機能説明にもLDACの記載がなく、実機レビューでもワイヤレス時はAAC止まりで音質に物足りなさを感じるという指摘が繰り返し出ています。
体感差が出るのは自宅でPCにつないで聴く時間が長い人です。外でスマホからワイヤレスでしか聴かないなら差は小さくなります——特にiPhoneはLDACに対応していないため、M3でもワイヤレス接続はAACのままです。LDACを理由にM3を選ぶ意味があるのはAndroidユーザーだけです。
② 電池が1.4倍になった — 70時間/ANCオン40時間
連続再生時間はノイズキャンセリングを切った状態で50時間から70時間へ、オンにした状態で30時間から40時間へ伸びました。急速充電も、M3は「5分の充電で約5時間再生」と公称値が明示されています。
通勤で往復2時間なら、M2は週1回強、M3は10日に1回程度の充電です。数字の差以上に効くのは「充電を意識しなくなる」という質の変化で、出張や長距離移動が多い人ほど恩恵があります。
③ ノイズキャンセリングが2.0世代へ — マイクは7個から10個に
ノイズキャンセリングの名称が2.0に変わり、マイク総数は7個から10個へ増えました。うち8個(左右のイヤーカップに4個ずつ)が騒音の集音用です。周囲のノイズをリアルタイムで測って打ち消す仕組み自体は両世代に共通で、M3は精度を上げた形です。
ただし正直に書きます。実機レビューでは「価格相応に良いが業界最強クラスではない」という評価が国内外で一致しています。原因として指摘されているのは、JBLのANCが物理的な遮音への依存度が高く眼鏡のツルや髪を挟むと効きが落ちやすい点です。静けさ最優先で選ぶなら、M3でも期待が満たされない可能性はあります。
一方でM3はノイズキャンセリング時のホワイトノイズがほぼ無いという評価が集中し、風切り音が入りにくいという声も多く見られます。「どれだけ消えるか」より「消したときに不快な副作用が出ないか」を重視するなら、M3の作りは好ましい方向です。
④ 空間サウンドにヘッドトラッキングが付いた
M2にも「JBL空間サウンド」はありました。M3で追加されたのはヘッドトラッキングで、頭を動かしても音の位置が空間に固定され続けます。映画やゲームで画面の方向と音の方向がずれない、という体験になります。
これは好みが分かれる機能です。実機レビューでは「首を少し傾けただけで音が左右に偏る」という指摘もあり、音楽鑑賞では切って使う人も少なくありません。映画やゲームが主目的なら価値がある、というのが妥当な評価です。なおM2側は「音楽モードの広がり方が不自然で使わなくなった」という声が目立ち、M3で自然さが改善した点では評価が一致しています。
⑤ トランスミッター同梱の上位構成が選べるようになった
M3には、ヘッドホン単体の「Tour One M3」と、スマートトランスミッター「Smart Tx」を同梱した「Tour One M3 Smart Tx」の2つの構成があります。M2にこの選択肢はありません。
Smart Txは手のひらサイズのタッチスクリーン付き送信機で、3.5mmやUSB-Cの出力しか持たない機器——機内エンタメシステムやゲーム機など——の音をM3へ飛ばせます。本体のタッチ操作でアプリを開かずに設定を変えられるのも特徴です。実機レビューでは低遅延接続がゲームや動画編集で実用的という評価が集まっています。
ただし「トランスミッター前提で実質的な負担が上がる」という不満も同じくらい出ています。同梱版との差は8千円弱。飛行機や据え置きゲーム機で使う予定が具体的にないなら単体版で十分です。詳しくは次の章で扱います。
M3にしかない機能を掘り下げる
購入後の満足度を左右しやすい要素を4つ取り上げます。あわせて、間違えやすい「M3」と「M3 Smart Tx」の選び分けもここで整理します。
🎚 Personi-Fi 3.0
アプリの聴力テストで自分の聞こえ方を測り、EQを自動補正する機能です。M2の2.0は各10バンドの測定でしたが、M3の3.0は12バンドEQに加えて左右のバランスを個別に最適化します。左右で聞こえに差がある人ほど効果を実感しやすい部分です。
🎙 4つの通話専用マイク
音の到来方向を判定して話者の声だけを強調するビームフォーミングマイクを4つ搭載し、AIアルゴリズムでエコーと周囲ノイズを抑えます。相手への自分の声の聞こえ方をアプリで調整できるのもM3から。在宅会議が主用途なら、ノイズキャンセリング性能より効いてくる要素です。
👆 タッチ操作と自動プレイ/ポーズ
M3はタッチコントロールと、ヘッドホンを外すと再生が止まる自動プレイ/ポーズに対応します。便利な反面、感度が高すぎて位置を直しただけで一時停止するという不満も多く出ています。ここは素直に好みが分かれるところです。
🔗 LDAC接続のままマルチポイント
2台同時接続をオンにすると高音質コーデックが自動で切れる機種は珍しくありません。M3はLDACを保ったままマルチポイントを使えるという検証結果が出ており、同価格帯では明確な強みです。M2はマルチポイント自体は安定しているものの、別の機器から割り込んで再生できない制約が指摘されています。
「Tour One M3」と「Tour One M3 Smart Tx」はどう違うのか
ヘッドホン本体は同じもので、違いはトランスミッターが箱に入っているかどうかだけです。楽天市場では「TOUR ONE M3 TX」「TOUR ONE M3 SMART TX」の表記が混在しますが、どちらも同じ同梱モデル(型番 JBLTOM3AVIBLK)です。
| Tour One M3(単体) | ヘッドホン+ケーブル類+キャリングケース。希望小売価格 4万9,500円(税込)/型番 JBLTOURONEM3BLK ほか |
| Tour One M3 Smart Tx | 上記+スマートトランスミッター。希望小売価格 5万7,200円(税込)/型番 JBLTOM3AVIBLK |
Smart Txが要るのは、Bluetoothを持たない機器の音を飛ばしたい場面です。機内エンタメの3.5mm出力、据え置きゲーム機、古いオーディオ機器などが該当します。聴く相手がスマホとパソコンだけなら出番はほとんどありません。使う場面を1つでも具体的に挙げられるかを基準にしてください。
ただし、M3の機能は「全部同時に」は使えない
実機レビューで最も多く挙がるM3の不満が、LDACをオンにすると空間サウンドとPersoni-Fiが使えなくなるというものです。ヘッドトラッキング付きの空間サウンドを取るか、LDACの解像度を取るかの二択になります。
ほかにも、ハイレゾ設定の切替でアプリが再起動して再生中の曲が止まる、モード切替に数秒かかる、といった挙動が報告されています。「不具合」として語られることの多くは、故障ではなくこうした仕様上の制約です。なおM2にも有線でノイズキャンセリングをオンにするとハイレゾ再生ができないという排他があり、「全機能を同時には使えない」点は両世代に共通です。
※JBLは2026年5月に、M3の音質チューニングを刷新するファームウェアを配信しています。購入時期やファームウェアの世代によってレビューの評価が食い違う可能性があります。ネット上の音質評価を読むときは、いつ書かれたものかを確認してください。
💰 差額 約1万2千円を払う価値があるか
音の性能で判断する方へ:Androidをお使いで、PCにUSB-Cでつないで聴く時間があるなら、内蔵DACとLDACの2つだけで差額の理由は立ちます。逆にiPhoneでワイヤレスしか使わないなら、音質面で得られるものは思ったより小さくなります。
使い勝手で判断する方へ:電池が1.4倍になる点と、メーカーのアップデート対象であり続ける点が実利です。M2は生産完了品なので、今後の機能追加は期待しにくくなります。
進化幅と価格差の妥当性——どちらを買うべきかの判定
ここまでの差分を、進化の大きさと価格差の両面から機械的に採点した結果です。
🎯 進化幅と価格差の総合判定
結論:価格差なりの進化があり、長く使うなら新モデルの投資価値があります
🆕 Tour One M3(新モデル)を選ぶべき人
- 最新機能を活かしたいユーザー
- 複数年にわたり長く使う予定のユーザー
- 最新モデルであることに価値を感じるユーザー
📦 Tour One M2(旧モデル)を選ぶべき人
- 初期費用をわずかでも抑えたいユーザー
- 在庫がある間に確実に購入したいユーザー(旧モデルは今後入手性が低下)
- コスパを最優先に考えるユーザー
5軸スコアの内訳
スペックと実機レビューの傾向をもとに、5つの評価軸で各機種を10点満点で独自採点しました。これは今回の2機種の相対的な位置関係を示すもので、他の記事のスコアと絶対比較する目的のものではありません。

📊 採点基準
- 音質・コーデック対応:公式仕様の振動板素材・感度・再生周波数帯域に加え、内蔵DACの有無とLDAC対応可否を評価。実機レビューでの解像度・高域の質に関する評価傾向も加味しました
- ノイズキャンセリング:ANCの世代(2.0か否か)、集音マイクの本数、実機レビューでの効きとホワイトノイズに関する評価を総合。両機とも「同価格帯で最強クラスではない」という評価が一致しているため、上限は抑えています
- バッテリー・取り回し:公称の連続再生時間(ANCオン/オフ)、急速充電の公称値、重量と折りたたみ機構を評価。重量は278gで同一のため差は付けていません
- 通話・機能性:通話マイクの構成、サウンドパーソナライズの世代、空間サウンドのヘッドトラッキング有無、マルチポイントの制約、トランスミッター構成の選択肢を評価
- コストパフォーマンス:2026年9月時点の実売価格に対して得られる機能量で採点。M2はこの軸だけM3を上回ります(実売2万円台で上位機の基本機能をほぼ網羅するため)
※スペックは各メーカー公式サイト(JBL Tour One M3・JBL Tour One M2)を参照。口コミは楽天市場レビュー・価格.comクチコミおよび実機レビュー記事を分析。価格は2026年9月時点の楽天市場・Amazonの実売価格(安い方を掲載)。
採点していて迷ったところ
正直に書くと、ノイズキャンセリングの点差をどれだけ付けるかは最後まで迷いました。公式のスペック(マイク7個→10個、ANC 2.0への更新)だけを見ればもっと差を付けてよさそうに見えます。しかし実機レビューを読むと、M3のANCを「劇的に良くなった」と書いているものと「M2から地続きの改善」と書いているものが混在しています。
決め手にしたのは、M3のANCは測定機での計測だと上位に出るのに、装着した評価では中位に落ちるという指摘でした。JBLのANCはイヤーパッドの密閉による物理的な遮音に頼る比率が高く、眼鏡や髪で密閉が崩れると効きが落ちるためです。スペックの数字がそのまま体感に乗らないタイプの改善と判断し、差は1.5点にとどめました。逆に音質・コーデック対応の2.0点差に迷いはありません。内蔵DACの有無は程度問題ではないからです。
JBL Tour One M3の詳細レビュー(現行モデル)
Bell
DACが入ってるって言われても正直ピンとこないんだけど。それで何が変わるの?
Kura
デジタルの音をアナログに変える係が、ヘッドホンの中に入ったってこと。今までは変換をスマホ側に任せてたのを、自分でやるようになった。
基本スペック
| 発売時期 | 2025年5月 |
| 型番(ブラック) | JBLTOURONEM3BLK |
| ドライバー | 40mm マイカドームドライバー |
| 内蔵DAC | あり(USB Type-C接続でロスレス再生) |
| LDAC | 対応 |
| マイク数 | 10個(うちANC用8個/通話用ビームフォーミング4個) |
| 連続再生時間 | 最大70時間(ANCオン時 最大40時間) |
| 急速充電 | 5分の充電で約5時間再生 |
| Bluetooth | 5.3(マルチポイント 最大2台) |
| 感度/インピーダンス | 122dB / 18Ω |
| 重量 | 278g |
| カラー | ブラック/モカ/グリーン(ブルーはJBL公式ストア限定) |
| 希望小売価格 | 4万9,500円(税込)/Smart Tx同梱 5万7,200円 |
| 付属品 | USB-C to Cケーブル/USB-C to 3.5mmケーブル/USB-C to Aアダプタ/キャリングケース |
出典:JBL公式/価格は2026年9月時点の楽天市場・Amazonの実売価格(安い方を掲載)
実際の評価はどうか
※以下は楽天市場レビュー・価格.comクチコミおよび実機レビュー記事を分析した結果です。M3は2025年5月発売と比較的新しく、日本語の一般ユーザーによる口コミは全サイト合計でも15件前後と少数です(JBL公式ストアの楽天市場レビューは8件・平均4.75)。そのため以下の傾向は、専門メディア・実機レビュー記事の評価に大きく依拠しています。記事中のワードクラウドは、編集部が読み込んだ口コミの傾向を独自にまとめた要約をもとに言及テーマを集計・可視化したイメージ図で、レビュー原文から自動生成したものではありません。
✅ 購入者が特に評価しているポイント
- 装着感への評価が突出しています。イヤーパッドが厚く側圧も強すぎないため、数時間の連続装着でも痛くならないという報告が国内外で一致しています
- ノイズキャンセリング作動時のホワイトノイズがほぼ感じられず、風切り音も入りにくいという声が多く見られます
- 通話マイクの品質を強みに挙げる評価が国内外で共通しており、騒音下や風の中でも声がクリアに届くとされています
- LDACを維持したままマルチポイントが使えることを、同価格帯の他機との差として評価する意見があります
⚠️ 購入前に知っておきたい注意点
- LDACをオンにすると空間サウンドと聴力補正機能が使えなくなる点への不満が、指摘の中で最も多く挙がっています
- タッチ操作の感度が高く、ヘッドホンの位置を直しただけで再生が止まってしまうという声が目立ちます
- ノイズキャンセリングの効きについては「価格相応だが業界最強クラスではない」という評価で複数の実機レビューが一致しています。電車内では期待ほど静かにならなかったという厳しい体験談もあります
- 頭が小さい人には側圧がきついという反対意見もあり、装着感の評価は万人共通ではありません
- 密閉度が高いぶん夏場は蒸れやすい、という指摘が国内外の双方から出ています

✅ メリット
- 内蔵DACとUSB-C接続で、有線時にロスレス再生ができる
- LDAC対応。Android環境ならワイヤレスでも情報量を確保できる
- ANCオフ70時間/オン40時間と、この価格帯でも上位の電池持ち
- 5分の充電で約5時間再生できる急速充電
- ヘッドトラッキング付きの空間サウンドで映画・ゲームの没入感が上がる
- 通話マイクの評価が高く、在宅会議での使用に向く
- 用途に応じてSmart Tx同梱モデルを選べる
⚠️ デメリット
- LDACと空間サウンド・Personi-Fiは同時に使えない(どちらを取るか選ぶ必要があります)
- 3.5mmのアナログジャックが本体から無くなり、有線はUSB-C経由に一本化された
- ノイズキャンセリングの効きは同価格帯で最上位というわけではない
- タッチ操作の誤反応が起きやすい
- iPhoneユーザーはLDACを使えないため、音質面の恩恵が目減りする
こんな方に向いています。Androidをお使いで自宅ではPCにUSB-Cでつなぎたい方。出張や長距離移動が多く充電を気にしたくない方。オンライン会議で声をきちんと届けたい方。逆に静けさを最優先に選ぶなら、同価格帯の他社機も並べて検討する価値があります。
JBL Tour One M2の詳細レビュー(生産完了モデル)
2023年発売のフラッグシップです。2026年9月時点でJBL公式サイトの「生産完了品」カテゴリに移され、公式オンラインストアでの取り扱いも終了しています。それでも流通在庫は残り、実売2万円台で新品が手に入ります。
基本スペック
| 発売時期 | 2023年 |
| 型番(ブラック) | JBLTOURONEM2BLK |
| ドライバー | 40mm(PU+LCP振動板) |
| 内蔵DAC | なし(有線は3.5mmアナログ接続・有線時ハイレゾ認証) |
| LDAC | 公式の仕様表・機能説明に記載なし |
| マイク数 | 7個 |
| 連続再生時間 | 最大50時間(ANCオン時 最大30時間) |
| Bluetooth | 5.3(マルチポイント 最大2台) |
| 感度/インピーダンス | 117dB / 32Ω |
| 重量 | 278g |
| カラー | ブラック/シャンパンゴールド(現在の新品在庫はほぼブラックのみ) |
| 希望小売価格 | 3万9,600円(税込) |
| 付属品 | 3.5mmオーディオケーブル/フライトアダプター/USB Type-C充電ケーブル/キャリングケース |
出典:JBL公式/価格は2026年9月時点の楽天市場・Amazonの実売価格(安い方を掲載)
M2にあってM3に無いもの
新旧比較というと新モデルの勝ちで終わりがちですが、M2にしかない要素も2つあります。
1つは3.5mmのアナログジャックです。M2は本体に直接3.5mmケーブルを挿せます。M3は本体側がUSB-Cに一本化され、有線は付属の変換ケーブルを介す形になりました。M2には航空機用のフライトアダプターまで同梱されており、機内エンタメを使う場面ではM2の方が素直です。もう1つはシャンパンゴールドという落ち着いたカラーですが、この色の新品はすでにほぼ流通していません。
実際の評価はどうか
※M2は生産完了により新品流通が細っており、楽天市場の出品にはレビューが1件も付いていません。そのため以下は価格.comのクチコミ(レビュー・掲示板)および実機レビュー記事を分析した結果です。日本語の一般ユーザーによる声は合計24件前後と少数である点をご承知おきください。記事中のワードクラウドは、編集部が読み込んだ口コミの傾向を独自にまとめた要約をもとに言及テーマを集計・可視化したイメージ図で、レビュー原文から自動生成したものではありません。
✅ 購入者が特に評価しているポイント
- 側圧が緩めで長時間装着しても疲れにくいという評価が複数の投稿で一致しています。眼鏡をかけたままでも違和感が少ないという声もあります
- 癖の少ない明るいJBLらしい音で、素直で聞き疲れしないという評価が繰り返し出ています
- 有線接続にすると解像度と音の熱量が明確に上がり、ワイヤレスとは別の魅力があるという声が複数あります
- 通話時の声がクリアで在宅会議でも使えるという評価は、M3と同様に高い水準です
⚠️ 購入前に知っておきたい注意点
- ワイヤレス時の音質に物足りなさを感じるという指摘が最も多く、コーデックの制約が理由として挙げられています
- 初期設定のままだとボーカルが引っ込んでこもって聞こえるという不満があります。イコライザーでの調整が前提という声です
- 有線でノイズキャンセリングをオンにするとハイレゾ再生ができないなど、仕様がわかりにくいという戸惑いが出ています
- ヘッドバンドが頭頂部に当たって長時間でじんわり痛くなるという声が、M3より目立ちます
- マルチポイントで別の機器から割り込んで再生できず、先に再生している側を止める必要があります

✅ メリット
- 実売2万円台で、上位機の基本機能をひととおり押さえている
- 3.5mmジャックを本体に持ち、フライトアダプターも同梱する
- 側圧が緩く、長時間の装着で疲れにくいという評価が安定している
- 通話品質と外音取り込みの自然さは、この世代で既に完成度が高い
⚠️ デメリット
- 生産完了品のため、今後の機能追加やサポート期間には期待しにくい
- ワイヤレス時の音質面でM3との差がはっきり出る
- ヘッドトラッキングは搭載しない
- 連続再生時間はANCオン30時間とM3より10時間短い
- 新品在庫が少なく、色もほぼブラックしか選べない
⚠️ 旧モデル購入時の注意(2026年9月時点の実査)
- JBL公式サイトでM2は「生産完了品」に分類され、購入ボタンが押せない状態です。公式ページには「オンライン販売ではお取り扱いしておりません」と記載されています
- 楽天市場でM2の型番検索にかかる出品のうち、新品はごく少数です。大半は中古で、しかも中古の価格が3万円台〜8万円台と大きくばらついています。M3の新品より高い中古出品も並んでいます
- Amazonの新品も在庫が僅少で、「残り2点」といった表示になる状況です
- 新品が買えるうちに買う、という判断が必要な段階です。在庫が尽きた後に残るのは中古か割高な転売出品になります
- 検索結果には「中古」と明記されない中古出品も混ざります。購入前に商品ページのコンディション表記と出品者を必ず確認してください
こんな方に向いています。予算を3万円までに抑えたい方。機内エンタメなど3.5mmジャックへの直挿しが多い方。逆に、これから3年以上使うつもりでAndroidから有線でも聴きたいなら、素直にM3の方が満足度は高いです。
価格差をどう見るか——差額は「約1万2千円」で固定ではない
ここが最も誤解されやすい部分です。M3とM2の価格差は、比べる条件によって約9千円から約1万2千円まで動きます。順に整理します。
定価どうしの差はほぼ1万円
希望小売価格で並べると、M3が4万9,500円、M2が3万9,600円で、差はほぼ1万円です。これはメーカーが設定した「世代がひとつ上がるぶんの値付け」であり、セールや在庫状況で動きません。本質的な価格差を見たいなら、このほぼ1万円が基準です。
実売どうしの差は約1万2千円まで開く
ところが2026年9月時点の実売で比べると差は広がります。M3ブラックの実勢が4万円台前半なのに対し、M2は2万円台後半まで下がっているためです。「型落ちが値下がりしている」ぶんが上乗せされて、差額は約1万2千円になります。
ただしここには落とし穴があります。M3はカラーによって実売価格が違います。モカは在庫調整が進んでいて3万円台後半で買える一方、ブラックは正規の量販店だと定価の4万9,500円で横並びです。M3のモカを選べば、M2との差額は約9千円まで縮みます。色にこだわりがないなら、これは検討する価値のある差です。
| 比べ方 | 差額の目安 | この数字の性質 |
|---|---|---|
| 希望小売価格どうし | ほぼ1万円 | メーカーが定めた世代差。時間で変わらない |
| M3モカ ⇔ M2 | 約9千円 | 在庫調整が進んだ色を選んだ場合 |
| M3ブラック ⇔ M2 | 約1万2千円 | 定番色どうし。この記事の基準 |
※2026年9月時点の楽天市場・Amazonの実売価格(安い方)にもとづく目安です。価格は変動します。
差額1万2千円を日常に換算すると
この手のヘッドホンは、壊れなければ3〜4年は使えます。仮に3年使うとすると、差額約1万2千円は1日あたり約11円です。缶コーヒー1本にも届きません。
約1万2千円はワイヤレスイヤホンのエントリーモデルが1つ買える金額、あるいは音楽ストリーミング約12か月分です。「毎日使うものに1日11円を足すか」と考えると、判断は素直になります。
ただし——この換算が成立するのは「3年使う」という前提が本当にあなたに当てはまる場合だけです。1〜2年でまた買い替えるつもりなら、1日あたりの負担は倍以上になりますし、そもそも次の世代(おそらくM4)が2027年頃に出ます。短いサイクルで買い替える人にとっては、安いM2を今使い切って次の世代に乗り換える方が理にかなっています。
もうひとつの考え方——「値下がりを待つ」は成立するか
M3の値下がりを待つ選択もあります。実際、発売時に定価だったモカはすでに3万円台後半です。ブラックも時間が経てば下がる可能性はあります。
ただしその間、M2の在庫は減り続けます。生産完了品は安い出品から順に売れるため、残るのは高い出品だけになり、最終的には値上がりに転じます。両方を天秤にかけるなら、あまり長くは待てない局面です。
Bell
1日15円って言われると安く感じるけど、最初に4万4千円払うのはやっぱりきついよ……。
Kura
その感覚は正しいよ。1日いくらの計算は、払える人が納得するための道具であって、払えない人を説得する道具じゃない。
Bell
じゃあ僕はM2でいいのかな。あ、でも僕のスマホiPhoneだけど、それって関係ある?
Kura
大アリ。M3の売りのLDACはiPhoneだと使えない。Appleが対応してないから。ただ電池40時間と装着感はiPhoneでも関係なく効くよ。


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